子供の英語の発音、いつまでも間違え続けていたら…と心配になる親御さんもいらっしゃると思います。
年齢が小さな子どもはとくに、言葉の発音が不鮮明だったり言えなかったりする時期もありますよね。
この記事では、
- 子供の英語の発音を、気にしすぎる必要はない理由
- 子供の英語の発音で、クリアすべきポイント
- 子供の英語の発音を、良くする方法
- やってはいけない、注意すること
をまとめました。
子供の英語の発音はどこまで気にする?
「英語の発音が正しくない」場合、2つのケースが考えられます。
- まだ年齢が小さく、口や舌が発達していないため
- 日本語が定着してきた子どもが、日本語の発音に当てはめて英語も発音してしまうため(母語の干渉)
- 英語の発音はどこまで気にするべきか?
- 発音を気にしすぎる必要はないのはなぜ?
詳しくみていきましょう。
英語の発音の気にしすぎは注意
まず大前提にしたいことは「ネイティブ神話は捨てよう」ということです。
英語はまさに世界の共通語、今や世界中で英語が話されていますが、その英語話者人口の8割が非ネイティブであることをご存知ですか?
地球単位で見ればネイティブの方が少数派で、大多数の人が英語以外の母語を持ち、英語を第二言語として使っています。
場所によっては、マングリッシュ(マレーシア英語)やシングリッシュ(シンガポール英語)のように、独特に変化している英語だってあるのです。
日本人だって、非ネイティブの英語話者です。ネイティブのような英語でなければいけない!というのはステレオタイプで、もう古いと思いませんか?
「ネイティブのような英語でなければ」という考えが、
- 日本人である自分の英語に、自信が持てない
- 英語を話すのに、消極的になってしまう
ことにつながってしまうことを考えると、意味のない思想です。
「必要以上に気にしなくてもいい」というのは、発音を気にしすぎることによるマイナス面があるという理由からです。
子供の英語の発音で最低限クリアすべきこと
「英語の発音を、ネイティブのようにする必要はない」という話でしたが、ではどこまで英語の発音を気にするべきなのか?
その答えは、誤解を招かない程度の英語の発音です。
こんな話を聞いたことがあります。
≪日本人Aさんの体験談≫
外国のカフェへ行ったときのこと。
英語でコーヒーを注文したつもりが、出てきたのはコーラだった。
英語の発音が原因で、このようなことがあると、けっこう不便ですよね。
- 相手に言いたいことが伝わらない
- 誤解されてしまう
この場合は、自分が不便を感じたり、相手に迷惑がかかることもありますので、避けたいことです。
ネイティブのような発音を目指す必要はないけど、相手に誤解を与えない程度にはクリアしておきたいところです。
「発音ができないと聞き取れない」は本当か?
「できない発音は、聞き取りもできない」なんて話を聞いたことがありませんか?
これは半分正解、半分間違いです。
「発音ができれば、聞き取りもできている」これはほぼ正解です。聞き取れる能力があるから、発音もその通りにできているということですね。(ロシア語を聞いたことがない人が、それを発音することはできません。)
一方で「発音ができないのは、聞き取りができてないから」というのは、100%そうも言いきれません。
「聞き取れないから、発音ができない」ということは言えますが、その一方で「聞き取れても、発音できない」ような例もあります。
私自身がカナダで出会った、日本人女性の話です。
私がカナダでワーホリをしていたときの話。
働いていたコーヒーショップのマネージャーが日本人女性でした。
接客は全て英語。日本人は私たち2人だけだったので、スタッフ間も英語。ご主人はメキシコ人だったので、ご家庭でも英語。
そんな彼女の英語の発音は、俗に言う「カタカナ英語」でしたが、英語力は高くてリスニングにも問題なく、仕事や生活においてコミュニケーションに支障があるようすはありませんでした。
この女性の例からも「発音ができないと、聞き取りもできない」とは言えないことが分かります。
つまり、以下の2点が言えます。
- 聞き取りができないと、発音はできない
- 聞き取りができても、発音はできないこともある
ご紹介した例以外にも、世界中の非ネイティブの方々が、それぞれの母語訛りでも英語を使って、生活したり勉強したり仕事したりしている人が何億人といる世界です。
その事実が証明していますよね。
子供の英語の発音をよくする方法と注意点
- 早期から英語を始める
- 英語の音源を、たくさん聞かせる
- 失敗を恐れず、積極的に発音する
英語の発音を上達させるための方法はいくつかあります。
ご紹介するのは「英語の発音ばかり重視する」というよりは、英語力を上げるための取り組みをしていたら、自然と発音もよくなるような方法です。
英語の発音とともに英語力も上達できるので、取り組んでみてくださいね。
早期から英語を始める
英語を早期に始めることは、発音に苦労しない方法の一つです。
とくに、0歳の赤ちゃんはどんな言語でも聞き取れる能力があると言われています。
私たち大人が外国語を聞いてもなかなか聞き取れないのは、「日本語以外の音は必要のないもの」として脳が聞き取らなくなっているからです。
それが赤ちゃんにはまだないため、早いうちから英語を聞く環境であれば、英語を聞き取る能力も日本語同様に残ります。
また発音面でも、これから口の筋肉が発達していきますので、日本語同様、英語の発音ができるように口が作られていきます。
「小さいうちからやっていたら、自然とできるようになっていた」ということが起こります。
ただし、この時期の子どもはみんな、発音が不鮮明だったりできなかったりする音もたくさんあります。
まだ発達段階なので、ちゃんと発音できなくても大丈夫です。”th”が「フ」になったり、ネイティブの子どもにも見られるような、発音になったりします。
もうある程度大きくなったら手遅れなのかというと、そうではありません。「すでにカタカナ英語」という方は、次を参考にしてください。
英語の音源をたくさん聞かせる
まず大前提に、「聞いたことのない音は、発音できない」ということがあります。
また「よく聞く発音に、自分の発音も寄っていく」ことも言えます。
私たちが受けたような中学英語で、ネイティブ級の発音をする人が育たない理由は2つ。
- カタカナ英語の発音が、授業のほとんどを占めているため
- ネイティブ発音の音声を聞くことが、絶対的に足りていないため
日本に住んでいると、なかなか英語の環境を作るのが難しかったりますが、英語の動画やCDでのかけ流しは、手軽にできて有効な方法です。
ただし、聞いているだけでは発音は上達しません。
失敗を恐れず積極的に発音する
発音を上達させるためには、実際に口を動かすことが一番の方法です。
- 英語の歌を歌う
- 音読をする
などで、毎日続けてみると、徐々に上達します。
大切なポイントはこの2つ、
- モデルの英語の発音を、たくさん聞く
- 実際に口を動かして、たくさん発音してみる
「英語の発音に自信がない」ことが理由で、話す機会が減ってしまうと、余計に上達から遠のきます。
逆の発想で「発音がうまくなりたいから、どんどん話して練習する」という心構えが上達のポイントです。(練習なら、独り言でも大丈夫ですよ!)
親子で英語のコミュニケーションをするのもおすすめです。
日常で英語の発話が増やせて、親子の楽しい時間も増えますよ。
間違った発音を指摘しない
発音の上達の一番の方法は「とにかく口を動かすこと」です。
ですが、もし「その発音間違ってるよ。正しくはこう。」とその都度しつこく訂正されたら、どう思いますか?
「英語を話すの、楽しくない。」「私の英語、間違ってるのか…。英語って難しい。」「できないから、やりたくない。」と、ネガティブになったり、消極的になる原因にもなります。
そうすると「とにかく口を動かすこと」からどんどん遠ざかる結果にもなりかねません。
また、指摘したところで、すぐに直るものでもなかったりしますので、訂正しただけマイナス効果になる場合もあります。
とにかく、トライアンドエラー!エラーするのは当たり前、エラーしながら徐々に上達するイメージです。
つまらない発音練習はしない
もうひとつ、楽しさを重視するために、つまらない練習はしないことです。
最近はスマホなどのアプリで、AIが発音チェックをしてくれるようなものもありますよね。ゲーム感覚で楽しく練習ができますので、そういったものをうまく活用するのも手です。
ただし、本人が楽しめる範囲でやるのがいいですね。
アプリなどでゲームのようにクリアしていくのも、成功体験が積めるのでうまく活用するといいですが、それが逆に楽しめなかったり、嫌いになってしまうのなら、やらない方がマシです。
また「発音練習するよ!」などと、義務感があっても楽しめないかもしれません。親の役割として難しいところではありますが、子どもの性格も見極めながら、うまく習慣化できるといいですね。
楽しい英語の時間は、吸収力にも関わる、言語習得においてとても重要なポイントです。
子供の英語の発音を上達させるために|まとめ
子供の英語の発音を上達させるためにできることは、こちらの3点でした。
- 早期から英語を始める
- 英語の音源を、たくさん聞かせる
- 失敗を恐れず、積極的に発音する
また、子供の英語の発音について、注意したいのはこちらの3点でした。
- 英語の発音を、気にしすぎない
- 間違った発音を、指摘しない
- つまらない発音練習はしない
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