私は英語のネイティブスピーカーではありませんが、積極的に英語で子どもたちに語りかけをしています。
結論からいうと、全然そんなことないんですよ。むしろ実践してみた経験から、たくさんのメリットを実感しています。
ネイティブじゃないママやパパによる英語で語りかけるたくさんのメリットを紹介するとともに、注意点とデメリットについても考えてみました。
語りかけ育児はママの英語でも大丈夫!多くのメリット
私が英語での語りかけ育児をしてみて、実感したメリットは5つです。
- 英語のアウトプットが増える
- 英語に対してのハードルが下がる
- 英語でのコミュニケーション能力が育つ
- 親子のコミュニケーションが増える
- 子どもの英語の上達が分かる
順番に解説していきます。
メリット①英語のアウトプットが増える
独り言でない限り、言語というのは言葉と言葉のキャッチボールですよね。英語も例外なく相手がいてこそ活きてくるものですので、英語で話す相手がいるのといないのとでは、英語で発話するアウトプットに大きな違いが出てきます。
「おうちでも英語を話してもいいんだ!」という環境作りで、より英語を日常的なものにできます。
メリット②英語に対してのハードルが下がる
英語を普段使う機会がないと、英語は難しいものだとか緊張して恥ずかしいものだとか、英語を話すことに慣れないがゆえにハードルが高く感じてしまいます。
また、ママやパパが発音や間違いを気にしてあまり英語を話さないでいると、子どもにもその雰囲気が伝わってしまい、英語を話すことに対して慎重になってしまうかもしれません。
英語の間違いは恐れずに
言語を覚える過程で「間違い」は自然に起こるものです。日本語もそのように習得してきたはずですよね。エラーをすることも恐れない積極的な姿勢を子どもに見せることも大切だと思います。
英語は特別なものではなく日本語と同じで、コミュニケーションのツールの一つだという態度で、英語へのハードルを下げることも大切です。
メリット③英語でのコミュニケーション能力が育つ
「英語はDVDで見せていれば習得できるもの」だと思っていませんか?残念ながらそうではありません。DVDだけではコミュニケーション能力が育たないのです。
身近なママやパパが英語で相手になれると、日常的な英語でのコミュニケーションが生まれます。
将来使える英語を身につけるなら、コミュニケーションは必須です。
英語でのコミュニケーション能力が育たなかった例
世の中には、こんなバイリンガルの人もいます。
その原因は、こんなことが考えられます。
- 英語のコミュニケーションが一方通行だった(一方的に話しかけられるだけだった)
- 英語で話しかけられても、日本語で返していた
- DVDで英語を聞いていただけで、コミュニケーションをしたことがない
交通ルールや車の操作方法を勉強するだけでは、車を運転できるようにはなりませんよね。
英語も同じで、教科書やDVDで見ただけでは、使える英語にすることはできないのです。
メリット④親子のコミュニケーションが増える
我が家でおうち英語を始めてから、親子間のコミュニケーションが以前より増えたと実感しています。
DVDを見ながら体や口を一緒に動かす、歌を一緒に歌う、絵本を読み聞かせたり一緒に読む、お人形遊びをするなど、日本語で出来ることは、英語でも出来るのです。
親子のコミュニケーションのツールを一つ増やすために、英語を始めるのもオススメです。
メリット⑤子どもの英語の上達が分かる
普段から親子で英語でコミュニケーションをしていると、子どもの英語の上達が目に見えるように分かります。英語の先生に丸投げしていたら、ママやパパは絶対に実感できないことです。
教材選びにも役に立つ
また、子どもの英語のレベルを把握しておくことは、教材を選ぶときの重要な要素で、英語のレベルに合わない教材は、効果的に使うことはできません。
今どんなことが理解できていて、これからどんな英語を身に付けたいのか、はっきりと見えていれば、着実に英語のステップアップに繋げられます。
英語で語りかけ育児する場合の注意点
英語での語りかけ育児は、たくさんのメリットがありますが、一つ注意することがあります。それは日本語でもたくさん語りかけをすることです。
日本語での語りかけが一番大切
親の母語というのは、子どもの言葉の成長には切り離せない、大切な役割があります。
外国語のみで育児をして、よくない影響が出てしまった例をご紹介します。
エリシアという3歳の女の子に会いました。ことばが遅れていて、まわりの人はとても心配していました。中略
両親ともギリシア人で、英語は母国語ではありませんでしたが、英国に住んでいるからには、英語で話しかけるべきだと考えていました。中略
私はギリシア語の「語りかけ育児」にどっぷりつかるように提案しました。
2か月後にもう一度会うと、両親はエリシアがあっという間にギリシア語を覚えたと驚いていました。家庭でもギリシア語で話しかけるようにしたところ、遊び友達の中で、見る見るうちに英語を覚えたので、両親はまたまたびっくりしました。
参照元:0~4歳わが子の発達に合わせた「語りかけ」育児 – サリー・ウォード著
このように、極端に外国語のみで育児をしてしまうと、言葉の発達に悪影響を及ぼすことがありますので、英語を母語としないママやパパが、英語のみで語りかけ育児をすることはオススメできません。
- 日本語での語りかけをたっぷりと
- 英語は余裕のある部分で楽しんで
言葉とは不思議なことに「日本語が伸びると、それにつられて英語も伸びた!」ということが起こったりします。日本語が伸びた分英語も伸びると思って、母語も大切に育てましょう。
英語で語りかけ育児をするデメリットはある?
英語での語りかけ育児で、よくこんな声を聞きます。
そのような理由から、ママやパパは英語にノータッチで、DVDやネイティブの先生に任せっきりというご家庭もあるかと思います。では、本当に悪い発音は移るのでしょうか?
ママが英語で語りかけすると発音は悪くなる?
必ずしもそうとは言えません。
子どもは耳がとても良い
子どもは大人以上に耳が優れているといいます。DVDやCD、ネイティブの先生などからネイティブの発音をたくさん聞いていれば、どちらがネイティブでどちらがノンネイティブなのか、子どもはきちんと聞き分け、上手な発音で話せるようになります。
逆に、ママやパパの英語のみで、それ以外に触れる機会がなければ、その発音でインプットされるでしょう。
英語を始めた子どもの年齢による
英語を始めるのが早ければ早いほど、ネイティブに近い発音が習得できる傾向があります。0歳から始めている子と小学生から始めている子では、英語の発音に大きな違いがあるでしょう。
- ネイティブスピーカーの発音もたくさん聞かせること
- 発音の良し悪しは、子どもの年齢による部分も大きい
日本で暮らすハーフの子どもの例
以前住んでいたところのお向かいさんの話です。
お父さんは日本人、お母さんはフィリピン人、子どもは小学生の男の子が一人というご家族がいました。お母さんは発音は外国人だと分かる日本語の発音でしたが、いつも日本語で息子さんに話しかけていました。息子さんの日本語はというと、日本語ネイティブが話す発音となんら変わりはありませんでした。
この男の子は赤ちゃんの時からお母さんが話す日本語の発音を聞いていたはずですが、それでもお母さんの発音が移らないということは、他にネイティブの発音を多く聞いていれば、お母さん一人の影響はさほどないのではないかと思うのです。
※日本で日本語を習得するのと、日本で英語を習得するのとでは状況が違うし、この男の子がバイリンガルなのかモノリンガル(一言語話者)なのかによっても違ってくると思うので、100%は参考にはならないかもしれませんが、一例として。
そもそもネイティブ並みの発音は必要ない
なぜ英語の発音を気にする人が多いのでしょうか?「この教材を使えば、発音が良くなる。」との文句の教材はいっぱいあるし「発音がいいからネイティブの先生がいい。」という声もよく聞きますよね。
良い発音より重要なこと
英語の発音が原因で、なかなか言いたいことが伝わらないとき、どうしますか?
- 伝わらないのであきらめて、その後ひそかに発音練習する
- 言い回しを変えたり、写真をみせたり、身振り手振りでなんとか伝える
この2つのうち、実際に役に立つのは②の姿勢です。
伝えたいという積極的な態度と高いコミュニケーション能力の方がいい発音よりも、ぜひ身につけたい役に立つスキルです。
世界にはネイティブじゃなくても立派に生活している人がいる
私がカナダに滞在していた時の体験談です。
銀行へ口座を作りに行った時、対応してくださったスタッフの方がカナダに数年前に移民してきた方でした。英語に訛りがあるのは感じましたが、とても丁寧に分かりやすく話してくれて、まだカナダの生活に慣れない私にとても優しくしてくれました。
世界にはネイティブ並みの発音でなくても、英語を使って仕事をしている人はたくさんいますし、特別「発音のプロフェッショナルになりたい!」という場合を除いて、発音に関して言えばそこそこで十分足りるのです。ネイティブと同じような発音になる必要もないですし、ネイティブではない発音を恥じる必要もありません。そもそもネイティブの発音だっていろんな種類の発音があるのです。
発音は気にし過ぎない方がいい
世間は発音ばかりを気にしすぎなんじゃないかと私は思っています。発音を気にしすぎて話さないなんて、本末転倒ではないでしょうか。
また嬉しいことに、発音を気にせずに英語をたくさん話すようになると、結果的に発音が良くなっていたりすることもありますよ!
まとめ|語りかけ育児はママの英語でも大丈夫!積極的に英語を話そう
どちらが子どもにとっていい経験になっていると思いますか?
- 親の良くない発音を気にして英語でのコミュニケーションが全くない親子
- 楽しく英語の歌を親子で歌ったりコミュニケーションをしている親子