こども英語

ダブルリミテッドとは?その問題点と対処法|バイリンガルを目指す子供のために早期英語教育で知っておきたいこと

世のママ
世のママ
子供をバイリンガルに育てたいけど、遊びの英語じゃなくて、将来ちゃんと使える英語を身につけてほしい。

そう願っているパパやママは多くいると思います。

でもちょっと待ってください!バイリンガル育児に失敗すると、英語どころか、日本語も十分に習得できなくなってしまう危険性があることをご存知ですか?


このようなことが起こり得るのです。

しょこ
しょこ
バイリンガル育児に熱心な方は、特に注意なんですよ!

今日は、バイリンガル育児のデメリットになり得る「ダブルリミテッド」についてお話します。

こんな人にオススメの記事
  • レベルの高いバイリンガルを目指している
  • 日常で、外国語に触れる時間が多い
  • バイリンガル育児に失敗したくない
  • 英語の早期教育の注意点も知りたい
早期英語教育を実践して感じた3つのメリットと我が家が2歳半でおうち英語をはじめた理由 我が家では、娘が2歳半の頃におうち英語を始めて、1年半経ちました。 こんな声も聞かれる...

ダブルリミテッドとは?その問題点

そもそも、ダブルリミテッドとはどういう状態のことを言うのでしょうか?

また、その問題点を解説します。

ダブルリミテッドとは何?

セミリンガルもしくは限定的バイリンガルともいいます。

二言語を使用する環境にいるが、両言語共に年相応のレベルに達していない者。

つまり、英語と日本語ともに、年齢と比べて幼いレベルで、きちんと習得できていない状態です。

ダブルリミテッドの問題点

ただ言葉が幼稚になるだけではなく、思考力にまで影響を及ぼすような、重大な弊害が出てきます。

  • 難しいことになると言い表せない
  • 大人の話が理解できない
  • 学校の勉強についていけない
  • 仕事ができない
  • 思考力が低い
  • 論理的に考えられない

言語は、人生の土台となる大切な能力で、身につけた言語以上の思考力は残念ながら生まれません。

将来、生活や仕事などに支障が出てきたり、本人が生きづらくなるなど、様々な弊害が予想されます。

しょこ
しょこ
複数の言語が話せてすごい!ではなくて、一言語でも、ちゃんとしたレベルに達しているかが大切です。

ダブルリミテッドが懸念される場合でも、まだ脳が柔らかい子供のうちに対策ができれば、改善できる可能性は十分にあります

しかし大人になってからでは、取り返しのつかないことになることもありますので、子供のうちにどれだけ周りの大人が気づいて改善してあげられるかが大切です。

ダブルリミテッドの見分け方

二言語ともコミュニケーションに支障がなく、一見問題がないように見える場合でも、ダブルリミテッドに陥っている可能性があり、簡単には見分けにくいことがあります。

その見分け方のポイントのひとつは「学校の勉強についていけているか」です

日本で生活する外国人児童の例

例として、日本で暮らしている外国人児童をご紹介します。

小学3年生のマイケルくん。母語はフィリピン語ですが、お友達もできて、日本語も話せます。しかし、学校の勉強は難しくてついていけません。

参照元:子どもたちの現状 – NPO法人にわとりの会 https://www.niwatoris.org/current-status/

この例のポイントは「なぜマイケルくんが学校の勉強についていけないのか」です。だだの勉強不足で片づけられる話でしょうか?

このケースのマイケルくんは、

  • 日常会話には困らない日本語の能力はある
  • 勉強ができる能力までは日本語のレベルが達していない

ことが考えられます。

算数や社会など、学校での学習内容を理解する以前に、日本語の能力がそれを理解できるまでに達していないのです。

実は、「日常会話ができること」と「勉強ができる語学力」はイコールではありません。

生活言語と学習言語の違い

日常のコミュニケーションに必要な言語と、学習に必要な言語にはこのような違いがあります。

外国語教育の分野では言語のレベルは「生活言語(Basic Interpersonal Communication Skills)」並びに「学習言語(Cognitive Academic Language Skills)の」二つに区別されています。前者は日常的かつ具体的で認知的要求の低いレベルの言語運用能力であり、言い換えれば日常生活レベルの言語力であり、後者は文脈への依存が低く抽象的かつ認知的要求度の高いレベルの言語運用能力で、これは中等教育から高等教育に耐えうる言語能力を意味します。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1804/
船津洋「生活言語と学習言語」(株式会社 児童英語研究所、2018年)

つまり言語は、

  • 日常的に話している言葉は生活言語
  • 学習のために必要になるのは学習言語

と、二種類に分けることができます。

生活言語

生活言語は比較的早く習得できます。その期間には個人差がありますが、子どもであれば「海外に移住して1年や2年で日常会話には困らなくなった」という子もいると思います。

学習言語

それに対して学習言語には、読み書きする能力や、抽象的なものごとを理解したり、想像力をはたらかせたりする能力が必要で、生活言語より数年遅れて習得できると言われています。

日本語を例にすると、日常のコミュニケーションは生活言語、学校で学ぶ国語は学習言語に分けられます。

順番としては、まず生活言語を習得してから学習言語を習得するのが自然な形です。

学習言語が身に付いていないと注意

ダブルリミテッドの見分け方として、注目したいのは「学習言語」です。

生活言語が身についていて、日常のコミュニケーションには一見問題のないように見えても、複数の言語のうち全てにおいて学習言語が年相応に追いついていない場合、ダブルリミテッドに陥っている可能性があります。

ここで大事なのは、二言語のうち、一方の言語でも学習言語が年相応のレベルに追いついているようにすることが、ダブルリミテッドを回避するポイントです。

一つでも学習言語がきちんと習得できていれば、そののちに第二の言語もレベルを上げることは比較的可能です。(もちろん努力は必要です。)

しかし、二言語ともに学習言語が年相応に育っていないまま大人になってしまった場合、どちらの言語も能力が低いままで、それ以上は伸びなくなってしまう危険があります。それがダブルリミテッドの問題点です。

大人になっても言語が小学生や中学生レベルだったとしたら…。怖いですね。

ダブルリミテッドに陥りやすい子供や環境の例

必ずしもダブルリミテッドに陥るわけではありませんが、注意した方がよい子どもたちとその環境の例を紹介します。

海外赴任や帰国子女

仕事の都合などで一時的に海外で生活をするような場合、現地の学校に通っていても注意が必要です。

渡航中の数年間、学習言語の成長が止まったり、また帰国後に日本の学校の勉強についていけなくなるなどの弊害の可能性があります。

日本人学校や補習校などで、日本語のフォローをすることも有効です。

長期留学や教育移住

最近は欧米諸国のみならず、フィリピンなどでの格安留学や教育移住が増えてきています。

英語の習得のためにはいいですが、安易に海外の教育のみを長期に渡って受けることで日本語をおろそかにしてしまうと、言語面で危険が伴うことがありますので、しっかりとした日本語のフォローも行うことが大切です。

ハーフの子ども

ハーフの子どもは、国内外問わず、両親それぞれが別の言語を話したり、日常で二言語を身近に使用する環境にあることが多いですよね。

少なくとも、二言語のうちの片方の学習言語は必ず伸ばすつもりで、メインになる言語をどちらにするか決めておくのもいいでしょう。

日本国内でも注意が必要な場合も

日本で生活している場合でも、インターナショナルスクールやプリスクールなど、外で外国語に触れる機会が多く、日本語が家庭内のみ、もしくは家庭内でも英語ばかりなど、生活で外国語の比重が大きいご家庭も、ダブルリミテッドになる可能性があるかもしれません。

子どもがきちんと年相応の言語レベルに達しているか、常に気を配ると安心です。

ダブルリミテッドの対処法

母語のケアも大切に

子どもに英語を話せるようになってほしい!と意気込みすぎて、日本語が置いてきぼりになってしまい、日本語の学習をあまりしていない場合は問題が出てくるかもしれません。
バイリンガルは母語がちゃんと育ってこそ効果を発揮する!と思って、日本語も大切にしましょう。

メインの言語を優先する

どちらの言語も!と欲張ると、どちらも中途半端になる可能性があります。

二兎を追う者は一兎をも得ずですね…。

上手に両言語ともにうまく習得する場合もありますが、もし不安を感じるようでしたら、一度メインの言語を強化して様子を見ることも大切です。

少なくとも一言語は必ず学習言語を伸ばす

小学校低学年までくらいの幼い子供は、海外生活などの環境で、外国語の日常会話(生活言語)は比較的早く身につくと言われていますが、その一方、ある程度年齢が上がってくると、生活言語の習得にはそれより長くかかると言われています。

しかし、学習言語の場合は逆になることが多いという研究結果もあります。

生活言語 学習言語
小学校低学年以下 早く身に付きやすい 両言語とも時間がかかることがある
小学校高学年以上 年齢が低い子より、身につくのに時間がかかる 年齢が低い子より、理解が早く、効率的に習得できる傾向にある
個人差の大きいことなので、あくまでも目安で参考程度にお考えください。

母語で学習言語の基礎が身についていれば、母語で得たことを応用したりできるので、第二言語でも飲み込みやすくなるんですね!

もし、どちらの学習言語も伸び悩んでいると感じているのでしたら、同時に学習言語を育てるよりも、一言語を優先的に伸ばし、しばらく期間をあけてから、順番に第二言語も伸ばすと、結果的にどちらの学習言語も習得につながるかもしません。

ダブルリミテッドとはバイリンガルを目指す子供のために注意すべき問題

バイリンガル教育を批判するわけでもなければ、モノリンガル(一言語話者)を勧めているわけでもありません。

ただ、やり方を間違えてしまうと、せっかくのバイリンガル教育が人生をめちゃくちゃにしてしまうリスクもあるというケースを理解したうえで、正しい知識を持ち、子どもの言葉の成長を近くで見守ることが、ママやパパにできる大切なサポートです。

我が家も子どもをバイリンガルに育てたい家庭の一つとして、日々親も勉強しながら、コツコツと未来に向かって積み上げていこうと思います。

「おうち英語ってどうやるの?」「最近行き詰まりを感じる」という方は↓

おうち英語ってどうやったらいいの?やり方と教材の選び方
おうち英語ってどうやったらいいの?やり方と教材の選び方【ママやパパと始めるこども英語】 おうち英語を始めたいけど、 どうやったらいいのか 英語が苦手な親でも、ちゃんとできるのか ...